【3月14日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ2011-12(UEFA Champions League 2011-12)決勝トーナメント1回戦、ナポリ(SSC Napoli)との第2戦を14日に控え、チェルシー(Chelsea)はイングランド勢のクラブにとって、ここ16シーズンで最悪となる事態回避を狙っている。

 ブラックバーン・ローバーズ(Blackburn Rovers)がグループリーグ敗退を喫した1995-96年大会以降、欧州サッカーにおける最も名誉高い欧州チャンピオンズリーグ(CL)で、イングランド・プレミアリーグのクラブが準々決勝に進出しなかったシーズンはなかった。

 2006-07シーズンからは3シーズン連続で3チームが準決勝に進出したものの、今季はマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)とマンチェスター・シティ(Manchester City)がグループリーグで敗退、アーセナル(Arsenal)がACミラン(AC Milan)に敗れ決勝トーナメント1回戦で姿を消しており、数年前の優勢と対極の様相を呈しているプレミア勢の生き残りへの望みはチェルシーにかかっている。

 2月21日に行われた第1戦で、チェルシーは1-3でナポリに敗れた。この試合でアンドレ・ビラス・ボアス(Andre Villas-Boas)前監督は、フランク・ランパード(Frank Lampard)とアシュリー・コール(Ashley Cole)をベンチスタートさせるというリスクの高い決断を下し、自身の解任のきっかけを作った。

 ビラス・ボアス前監督の突然の解任にもかかわらず、チェルシーは、7日に行われたFAカップ2011-12(FA Cup 2011-12)5回戦のバーミンガム・シティ(Birmingham City)との再試合で勝利して準々決勝進出を決めると、11日に行われたプレミアリーグ第28節ストーク・シティ(Stoke City)戦でも勝利し、約2ヶ月ぶりに2戦連続無失点を記録した。無失点で乗り切ることは、ナポリとの第2戦で勝ちぬけるために重要になってくる。

 また、主将のジョン・テリー(John Terry)が第1戦を欠場したことでエセキエル・ラベッシ(Ezequiel Lavezzi)とエディンソン・カヴァーニ(Edinson Cavani)の攻撃に守備陣が終始悩まされたチェルシーだったが、そのテリーが予想よりも早い復帰を果たし活気付いている。

 チェルシーのロベルト・ディ・マッテオ(Roberto Di Matteo)暫定監督は、「ナポリはカウンターアタックが上手いので、バランスをとらなければならない。負担を強いる選手が何人もいる」と語り、チェルシーにとって深刻な問題を引き起こしうるナポリのカウンターアタックの脅威を認めているものの、勝利は可能だと強く断言した。

 一方、ナポリのパオロ・カンナヴァーロ(Paolo Cannavaro)は、6日に行われたアーセナル対ACミランの試合で、ガナーズ(Gunners、アーセナルの愛称)が前半だけで3点リードを奪ったことで前もって警告を受けたとし、「アーセナルの試合は目を覚まさせるものだった。プレッシャーの中で試合に臨むことになるが、集中して冷静でいられれば勝利できる。前半が非常に重要になるだろう」と語った。

 同日行われる試合では、レアル・マドリード(Real Madrid)がCSKAモスクワ(CSKA Moscow)を迎え撃つ。第1戦で両者は1-1で引き分けている。(c)AFP/Rob Woollard