【3月13日 AFP】ビタミンEの摂取と骨粗しょう症との間に関連性があることを突き止めたとする研究論文が、英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」に掲載された。

 論文を発表したのは慶応大学(Keio University)の竹田秀(Shu Takeda)特任准教授率いる研究チーム。サプリメントの含有量と同程度のビタミンEを含むえさを8週間にわたってマウスに与えたところ、骨粗しょう症になった。

 研究チームによると、ビタミンEには骨を壊す細胞の成長を促進する作用があった。通常この細胞は、骨を作る細胞と同時に働いて骨の強度を維持している。

 骨粗しょう症は、骨の組織が薄くなって骨密度が低下する病気で、発症すると骨折しやすくなる。高齢者、特に女性に多く発症する。ビタミンEは、植物油やナッツ、一部の葉物野菜などさまざまな食品に含まれている。抗酸化物質の健康サプリメントとしても人気で、健康の増進や老化予防に役立つと広く信じられている。

 論文は、ビタミンEの摂取を増やすと人間の健康にどのような影響が出るのか、より多くの研究を行うことを呼び掛けている。竹田氏は毎日新聞(Mainichi Shimbun)に、サプリメントに含まれるビタミンEの量ならば、「骨がもろくなる可能性はある」と語った。(c)AFP