【3月13日 AFP】南スーダン東部ジョングレイ(Jonglei)州で前週末、家畜の牛をめぐる民族衝突が発生し、200人以上が死亡し、数百人が拉致された。

 同州の知事がAFPに語ったところによると、拉致された中には約300人の女性と子供も含まれているという。

 同知事によると、ジョングレイ州のムルレ(Murle)民族が9日の夜明けともにナシル(Nasir)地域のRomyieri付近で、隣接する上ナイル(Upper Nile)州に住むロウ・ヌエル(Lou Nuer)民族を襲撃し、翌10日までに約10万頭の牛を盗んだ。

 現地は道路がほとんどなく携帯電話も使えないため、死傷者数などの裏づけはとれていない。ジョングレイ州アコボ(Akobo)郡で活動中の援助団体International Medical Corpsは12日に出した声明で、ボートで5時間かけて負傷者の救出に向かい、銃で撃たれた人など63人を治療したと発表した。この際、戦闘で死亡した人の遺体も目撃したという。

 今回の事件は、1月にロウ・ヌエル民族の若者とディンカ(Dinka)民族の計8000人強がジョングレイ州ピボル(Pibor)郡のムルレ民族の村々を壊滅させ、大勢の人を殺害したことへの報復とみられる。(c)AFP

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