【3月9日 AFP】日独の共同海洋研究チームが8日、東日本大震災を引き起こした巨大地震の震源域付近の海底調査のため、ドイツの海洋調査船「ゾンネ(Sonne)」で横浜港を出航した。同震災後、初の本格的な海底調査となる。

 前年3月11日に大災害をもたらした「東北地方太平洋沖地震」の震源は、牡鹿半島沖130キロ付近の海底で、プレートの境界域となっている。

 チームを構成するのは、日本の海洋研究開発機構(Japan Agency for Marine-Earth Science and TechnologyJAMSTEC)地球内部ダイナミクス領域(Institute for Research on Earth Evolution)と独ブレーメン大学(Bremen University)の海洋環境科学センターなどの研究者たちだ。

 調査に使用するのは、重量3.5トン、全長5.5メートルの小型の潜水艦型の無人海洋探査機。これをケーブルで母船となる「ゾンネ」につなぎ、最深で水深7000メートルの深海まで降ろす。

 探査機にはカメラや照明に加えて、海底を探査するマルチビーム測深ソナー装置が搭載されている。また、探査機を遠隔操作して、将来、起こりうる地震を正確に計測するための海底地震計を、すでに開けてある掘削孔に設置する。

 母船側も音響測深器を搭載しており、本州陸塊から深海の海溝に至る広範囲の探査結果を解析する。

 研究チームは、この探査結果によって得られた新たな海底地図を以前のデータと比較し、今回の地震で海底に起こった変化を把握すると共に、震源周辺の海溝から海底堆積物のサンプルを持ち帰り、将来の巨大地震の予測などに役立てたいと話している。(c)AFP/Miwa Suzuki