【3月8日 AFP】米海洋大気局(NOAA)宇宙天気予報センターは7日、太陽表面の巨大な爆発現象「太陽フレア」で直近に発生した2つの影響により、地球が5年来で最大規模の磁気嵐に見舞われるとの予測を発表した。

 地球が磁気嵐の影響を受けるのは米東部標準時の8日未明から9日終日(日本時間8日午後から10日昼ごろ)で、送電線や衛星利用測位システム(GPS)、各種衛星で障害が発生する可能性がある。このため、極域を飛ぶ航空便のルートを変更する措置をとった航空会社も出ている。

 一方、中央アジアでは8日夜、オーロラ観賞が楽しめそうだ。

「宇宙の気象は、この24時間で非常に興味深い変化を見せている」と、NOAAの宇宙気候学者、ジョゼフ・カンチェス(Joseph Kunches)氏は語る。

 1つ目の巨大な太陽フレアは4日夜、太陽の活動領域1429で発生した。これに伴って爆発的な太陽嵐とコロナ質量放出(CME)が起こった。このCMEは、時速640万キロの超高速で地球の方向へ向かい始めた。

 これに続いてGMT(グリニッジ標準時)7日午前0時24分(日本時間同日午前9時24分)、2つ目の太陽フレアが発生し、同じく強力な太陽嵐と磁気放出が始まった。太陽放射の強さを示す5段階評価では、両者ともレベル3の強さだという。

 一方、米航空宇宙局(NASA)によると、2つ目の太陽フレアの規模は最大のXクラス。これは、2007年に始まった太陽の極小期の中でこれまでで最大規模。前年8月に発生した太陽フレアが今回のものよりもわずかに大きかった程度だという。

 太陽放射の影響は国際宇宙ステーション(International Space StationISS)に滞在中の宇宙飛行士らにも及ぶ恐れがある。こうした場合、宇宙飛行士らはステーション内のシェルターに退避することになっており、過去にもこうした例はある。(c)AFP/Kerry Sheridan

【動画】太陽観測衛星「SDO」がとらえた太陽フレア(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)
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