【3月6日 AFP】アフリカ中部コンゴ共和国の首都ブラザビル(Brazzaville)にある軍の武器庫で4日に大規模な爆発が発生したことを受け、同国政府は5日、国際社会に支援を要請した。この爆発による死者は150人を超え、負傷者も1000人あまりに上っている。

 ドニ・サスヌゲソ(Denis Sassou Nguesso)大統領はブラザビルに外出禁止令を出し、爆発があった軍事施設がある東部ムピラ(Mpila)一帯を封鎖した。

 現場で取材したAFP記者によると、ムピラでは兵士が家屋のがれきの撤去や遺体の収容作業を続けており、5日早朝にも新たに6人の遺体が収容された。現場周辺は住宅が密集していたことから、犠牲者の数は増えるとみられている。

■「水のない津波に襲われたよう」

 レイモン・ムブル(Raymond Mboulou)内務相は、軍の兵舎周辺の街路の惨状を「水のない津波に襲われたようだ」と表現した。

 被害を受けたムピラの街路では住民ら数千人が、家財道具の残骸を拾い集めたり、親族を探したりしているが、5日になっても小規模な爆発が散発的に起きており、そのたびに住民たちはパニックになっている。

 ムブル内務相は、最初の大規模爆発があった4日から24時間以上が経過した後もくすぶり続けるぼやの消火が救援隊の最優先事項だと語った。

 軍関係者によると、爆発で最初に破壊された武器庫から100メートルほど離れている武器集積所も、近くで発生した火災により爆発の危険があるという。

■国際的な支援も始まる

 現場周辺は死臭が漂い始め、遺体を運ぶための多数の救急車や霊きゅう車が列をなしている。

 住民の1人は、事故当時、日曜の礼拝が行われていた教会が倒壊したとAFP記者に語った。またブラザビルに駐在するフランスのジャンフランソワ・バレット(Jean-Francois Valette)大使は、コンゴ共和国政府の情報として3000人あまりが家を失ったと語った。

 地元テレビは5日、爆発後の混乱で親とはぐれた20人あまりの子どもたちを番組に出演させ、親と再会できるよう、この子どもたちを知っている人はテレビ局に連絡するよう呼びかけた。

 隣国コンゴ(旧ザイール)のランベール・メンデ(Lambert Mende)通信・メディア相は5日、医療スタッフ20人をブラザビルに派遣し、医療機器などの支援物資を送ったことをAFPに明らかにした。

 また、フランスとモロッコが緊急医療物資を送るとしているほか、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)と医療援助団体「国境なき医師団(Medecins Sans FrontieresMSF)」も活動を始めている。

 一方、ブラザビル市内の病院には続々と負傷者が運び込まれ、数百人の負傷者を病棟に収容しきれず、廊下にまで負傷者があふれ出している。(c)AFP/Patrick Fort and Laudes-Martial Mbon