【3月5日 AFP】インドネシア・スラバヤ(Surabaya)にある同国最大の動物園、スラバヤ動物園(Surabaya Zoo)で、1日に死亡したキリンの胃の中から重さ20キログラムのプラスチックの塊が発見された。動物園側が3日、明らかにした。

 来園者が長年にわたって柵越しに投げ与えてきた食べ物の包装ではないかという。同園ではこのところ、動物の不審死が相次いでいる。

 死亡したキリンは同園生まれの30歳の雄で、名前はクリウォン(Kliwon)。園内唯一のキリンで、13年間同じおりの中で飼育されていたが、1日夕方に死亡した。同園広報発表によると、2日夜に解剖結果の報告があり、クリウォンの胃の中には直径約60センチ、重さ約20キロものプラスチックの塊が入っていたという。

 また、クリウォンは結核も患っていたことが分かった。広報担当者によれば、同園の職員約180人のうち7人が結核を患っており、恐らくこの中の誰かから感染したものと思われるという。ただ、「死因は今のところはっきりしていない」と話している。

■ここ3年で500匹死亡、不祥事だらけの動物園

 同園ではここ数年、絶滅危惧種のスマトラトラなど飼育動物の相次ぐ不審死や、コモドドラゴンの子ども3頭が行方不明になるなど、不祥事が続いている。3頭のコモドドラゴンは闇市場での売買目的で盗まれたものとみられている。

 広報担当者によれば、2010年~11年に死亡した飼育動物は約500匹に上る。うち数百匹は、肺炎や下痢、栄養不良といった治療可能な疾患で死亡したとされ、2010年に当時の経営陣に批判が集まった。この前経営陣らは前年、林業省(Forestry Ministry)によってライセンスを剥奪されている。

 広報担当者は「米国からキリンを2、3頭購入する計画があるが、この不祥事の後で経営陣の了承を得られるかは分からない」と語った。(c)AFP

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