【3月1日 AFP】約1億5000万年前、地球を闊歩していた巨大な恐竜たちに取り付いていた「ノミ」は、同じく巨大だったようだ。

 中国とフランスの古生物学者チームがこのほど、中国・内モンゴル(Inner Mongolia)自治区と遼寧(Liaoning)省で、オスは体長1.5センチ、メスは2センチにもなる巨大なノミの化石9個を発掘した。ジュラ紀中期~白亜紀初期頃のものだという。ちなみに現代のノミの体長は大きくて5ミリ程度。

 同チームによると恐竜時代のノミは現代のノミと異なり、跳躍できず、口も比較的小さかったが、環境的ニッチへの適応力が非常に高かったという。毛や羽の生えた恐竜に、かぎ型の爪で取り付き、長いギザギザの針のような口吻を皮膚に突き刺して血を吸い上げていたとみられる。

 6500万年前に恐竜が絶滅した後も、ノミは代わって地球上に栄えた哺乳類や鳥類に宿主を変えて生き延び、その過程で体も小型化したと考えられる。

 仏国立自然史博物館のアンドレ・ネル(Andre Nel)氏が主導したこの研究の報告は、29日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表されている。(c)AFP