【3月1日 AFP】一般的に処方される睡眠薬の服用で早死リスクが4倍以上高まる恐れがあるとする米国の研究が、2月27日のオンライン医学誌「BMJ Open」に発表された。

 睡眠薬を多用すると、がん発症リスクが35%増加する可能性も示されたが、理由は不明という。

■睡眠薬を飲まない人と比較

 米カリフォルニア(California)州にあるスクリップス研究所(Scripps Clinic)の医師のチームは、一般的に処方されているベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、バルビツール酸系の睡眠薬および鎮静剤を対象に、米ペンシルベニア(Pennsylvania)州内に住むこれらの処方を受けている平均年齢54歳の成人1万500人以上と、いずれの薬も飲んでいない同世代の成人2万3600人以上(対照群)の2年6か月分の医療記録を比較した。

 期間中に死亡した人数は両グループとも比較的少なく計1000人未満だったが、死亡率には大きな開きがあった。年間18回~132回分の睡眠薬を飲んだ人の死亡率は対照群の4.6倍、年間18回分未満でも3.5倍以上だった。

 それぞれの死因は公表されておらず、論文はこの結果について、統計的な関連性が見出されただけで原因は分からないと指摘。ただ、これらの睡眠薬の服用者がかなり多いことから、注意を促している。

 なお、喫煙や既往症の有無などは考慮に入れたが、ペンシルベニア州法で公表が禁じられているうつ病や不安神経症などの感情的要素については考慮に入れることができなかったという。(c)AFP