【2月29日 AFP】インド洋をセーシェルに向けて航行中に機関室から出火して電気系統が損傷し、動力を失って漂流したクルーズ船「コスタ・アレグラ(Costa Allegra)号」は28日、現場に到着したフランスのマグロ漁船にえい航されてセーシェルに向かった。

 現在はこの漁船1隻だけが時速約6ノットでえい航しており、3月1日にセーシェルのマヘ(Mahe)島に到着する見込み。海は穏やかだという。セーシェルのタグボート2隻も必要があれば支援できる状態にある。

 当初はセーシェルのデロシュ(Desroches)島に向けてえい航していたが、多数の人を収容するには施設が不十分と判断され目的地を変更した。

 うだるような暑さの中、1000人を超える乗船者らは27日の火災発生から2度目となる夜を甲板で過ごした。28日はヘリコプターが食料、衛星電話、VHF無線機を届けたほか、セーシェルの沿岸警備隊が小型発電機を届けた。28日に上空を飛行したインド海軍の航空機は、コスタ・アレグラ号のプールの周りに大勢の人がいる写真を撮影した。

 同船の運航会社コスタ・クロシエレ(Costa Crociere)は、29日に2度目のヘリ輸送を行い、新鮮なパンと懐中電灯を届けると発表した。セーシェルの税関職員2名と、コスタ・クロシエレの職員8人も29日に乗船する予定になっている。(c)AFP/Gerard Govinden

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