【2月28日 AFP】(一部更新、写真追加)米オハイオ(Ohio)州シャードン(Chardon)にあるシャードン高校(Chardon High School)のカフェテリアで27日午前7時半(日本時間同日午後9時半)ごろ、男子生徒が銃を乱射し、生徒1人が死亡、4人が負傷した。容疑者の男子生徒は逃走したが、まもなく逮捕された。負傷者のうち2人は重体。

 一帯には厳戒態勢が敷かれ、負傷者搬送にヘリコプターも出動した。オハイオ州北部クリーブランド(Cleveland)に近い人口約5000人の小さな町の学校で起きた痛ましい事件に全米の注目が集まった。

 事件を目撃した生徒らによると銃撃犯は17歳の男子生徒で、いじめに遭って「仲間はずれ」にされていたという。また同生徒は、ツイッター(Twitter)とフェイスブック(Facebook)に警告や不吉な書き込みをしていたという。

 男子生徒が銃撃を始めたころ、現場のカフェテリアでは他の生徒らが朝食をとり、1時間目の授業開始を待っていた。パニックに陥った生徒たちは身の危険を感じ、叫びながらカフェテリアの外に逃げ出した。容疑者の生徒は特定のグループを狙い打ちしていたようだったという。その後、同校の教師が容疑者の生徒を学校外へ追い出した。

 目撃した生徒の1人は、地元紙クリーブランド・プレーン・ディーラー(Cleveland Plain Dealer)に「みんな床の上に伏せていた。テーブルの上に突っ伏していた友達は撃たれた」と語った。「まるで爆竹のようだった。振り返ったら彼が銃を持って立っていて、発砲するのを見た」と当時の状況を語った。

 米連邦捜査局(FBI)の特殊部隊(SWAT)が出動して同校を包囲し、生徒らは近くの小学校へ避難し、保護者に引き渡された。同部隊は保安官事務所が容疑者の自宅を捜索した際にも協力した。

■小さな町に衝撃

 銃撃を知った保護者は学校へ駆け付け、時間のかかる手続きを経て子供たちと再会した。シャードンに住むカレン・ポーター(Karen Porter)さんは、住民同士の絆が強い小さな町でこのような事件は想像もしていなかったと語り、「アメリカのふるさとを体現するようなこの町でこんな事件が起きるなんて」と驚きを隠さなかった。

 現地の教会では28日夜、ろうそくを灯して祈る集会が行われる予定で、惨劇が生徒や住人に残した心の傷にはカウンセラーが対応する。

 オハイオ州では、2007年にクリーブランドで当時14歳の生徒が銃を乱射し、教師2人と生徒2人を負傷させた後自殺するという事件が起きている。

 米国で起きた最悪の校内銃乱射事件は、2007年にバージニア工科大(Virginia Tech)で33人が死亡した事件だ。高校での事件としては、1999年にコロラド(Colorado)州のコロンバイン高校(Columbine High School)で生徒2人が生徒12人と教師1人を射殺した事件が最悪となっている。(c)AFP/Afi-Odelia Scruggs