【2月24日 AFP】米アップル(Apple)のタブレット型端末「iPad(アイパッド)」の名称をめぐり、同社と訴訟合戦を繰り広げている中国企業「唯冠科技(Proview Technology)」は24日、「不公正な商習慣と虚偽行為」を理由にアップルを米カリフォルニア(California)州の裁判所に提訴したと発表した。

 唯冠科技は、広東(Guangdong)省深セン(Shenzhen)を拠点とする台湾系IT企業。アップルを17日に提訴したという。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)によると、アップルが2009年12月に適当に名前を付けた子会社を使って「iPad」の商標権を唯冠科技から買い取ったのは「不正かつ悪意」または「不正ないし悪意」の商行為に当たるというのが、同社の提訴理由となっている。

 同社は先に上海(Shanghai)で、自社の商標権が侵害されているとして同市内での「iPad」の販売差し止めを求めて裁判を起こしていたが、同社の楊栄山(Yang Rongshan)代表は、米国での裁判は商標権侵害とは違う法廷戦術だとAFPの取材に語った。

 上海での裁判は23日、上海市浦東新区人民法院(地裁に相当)が同社の訴えを退け、審理を打ち切った。この結果、上海での「iPad」の販売はこれまで通り継続される。

 中国ではこの裁判以前に2011年、アップル側が唯冠科技を商標権侵害で訴えているが、深センの裁判所は「証拠に欠ける」として棄却。アップル側が控訴している。

「iPad」の商標は、台湾にある唯冠科技の関連会社が、アップルのiPad発売以前の2000年に中国を含む複数の国で商標登録していた。アップルは09年にこの関連会社から商標を買い取ったが、唯冠科技側は、中国国内における商標権の売却権はこの関連会社にはないと主張している。

 中国企業による知的財産権侵害に関する外国企業の訴えは多いが、中国企業が外国企業を商標権侵害で訴えることは珍しい。唯冠科技は財政難にあり、アップル側の巨額の和解金に関心を示しているとも伝えられている。(c)AFP

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