【2月20日 AFP】記録的な寒波に見舞われているスウェーデンで17日、雪に埋もれた車の中に2か月程度閉じ込められていたとみられる男性が救出された。

 18日にAFPの取材に応じた当直の警察官によると、北部ウメオ(Umeaa)に近い森の道をスノーモービルで通りかかった男性が積もった雪の下に車の屋根があるのに気づいた。車が発見された場所は北極圏南端の近く。幹線道路から1.5キロも離れた森の奥で、交通量の少ない場所だという。

 雪を払って車内を見ると何かが動いているのが見えたため、人だと思ったスノーモービルの男性は警察に通報。レスキュー隊と、ベルトを付けて雪上を走行できるようにした救急車が現場に急行して車の中で寝袋にくるまっていた40代半ばの男性を救出した。飢えてひどく衰弱しており、動いたり話したりすることはほとんどできない状態だったという。男性は大学病院に運ばれて手当てを受けている。

 スウェーデン中部エレブルー(Oerebro)在住だというこの男性がいつから雪に閉じ込められていたのか正確なところは不明だが、男性が車で森林に入ったのは雪が降り始める前だったとみられる。

 当直の警察官は、救出された男性が12月から何も食べていないと話していることから、警察はこの男性が12月あるいはもっと早く11月に森に入ったとみていると述べるとともに、ここ数日、現場の気温は氷点下30度にまで下がっていたことから「生きていたのは驚くべきことだ」と話した。

 男性が衰弱しているためまだ詳しい状況は聞けていないが、おそらく男性は12月中旬ごろから雪だけを食べて生き延びたとみられている。この男性に対する行方不明者届けは出されていなかった。(c)AFP