【2月14日 AFP】オランダのホテルで盗まれたとして米大使夫人が盗難届けを出していた930万ドル(約7億2200万円)相当の宝石が、従業員の自宅の戸棚の中でほこりをかぶっていたことが、被害の届け出から6年近くたって判明した。現地警察当局が9日、明らかにした。

 宝石は金やダイヤモンドが散りばめられた指輪・ネックレス・イヤリングのセット。2006年に当時駐オランダ大使だった夫のローランド・アーナル(Roland Arnall)氏とともに夫婦でこのホテルに数か月滞在したドーン・アーナル(Dawn Arnall)さんは、ホテルをチェックアウトしてから何か月もたって宝石が無くなったことに気付き、盗まれたと考えて盗難届けを出し、保険会社は盗難補償金を支払った。

 だが実際はホテルの女性従業員が宝石をホテルに届けていた。警察当局によると、その後6か月間持ち主からの連絡がなかったため、ホテルの規約によりこの従業員が所有できることになった。

 ネックレスの1つには530万ドル(約4億1000万円)相当の5カラットのダイヤモンドがついていたが、「誰も宝石の価値に気付かなかった」という。 

 この従業員は宝石を引き出しに入れたまま放置していたが、前年掃除をしていたところ再発見し、今度は鑑定に出したところ、その価値が明らかになった。従業員は宝石を警察に渡し、宝石は前月、米国で暮らすドーンさんの元に戻された。(c)AFP