【2月9日 AFP】インドネシアで7日、ボルネオ(Borneo)島(インドネシア名カリマンタン島)にあるヤシのプランテーションの害獣駆除を目的に、絶滅が危惧されるオランウータンとその他の霊長類を殺した罪に問われているインドネシア人3人とマレーシア人1人の裁判が始まった。

 検察当局によると、マレーシアの上場企業Metro Kajang Holdingsの子会社で東カリマンタン(East Kalimantan)州にあるこのプランテーションのマレーシア人支配人と従業員の2人は2009年から2010年にかけて、2人の男にオランウータンなどの駆除を依頼した。

 支配人らは、駆除を請け負った2人の男に、殺したオランウータン1頭につき100万インドネシアルピア(約8700円)、その他の霊長類1頭につき20万インドネシアルピア(約1700円)を支払ったという。実際に殺したことを証明するために撮影した写真がこの地域に出回ったことから、4人は前年11月、警察に逮捕された。ボルネオ島でのみ生息が確認されているテングザルが写っていた写真もあった。

 4人はオランウータンの幼獣1頭と成獣2頭を殺害した罪で起訴されているが、プランテーション会社の領収証に2500万インドネシアルピア(約22万円)と記載されていたため、少なくとも20頭が殺されたとの見方を警察は示している。

 専門家によると、野生のオランウータン5万~6万頭の内、約80%がインドネシア、残りがマレーシアに生息している。野生のオランウータンは、密猟や急激な生息地の減少により絶滅の危機に直面している。生息地の熱帯雨林は、ヤシや製紙原料にするためのプランテーションによってその面積は減少の一途をたどっている。

 4被告は絶滅危惧種を殺した罪に問われており、いずれも禁錮5年が科される可能性がある。(c)AFP