【2月8日 AFP】米カリフォルニア(California)州の州憲法で、同性婚を禁止する修正案を可決した住民投票の結果について、サンフランシスコ連邦控訴裁判所(連邦高裁)は7日、合衆国憲法に違反するとの判決を下した。

 カリフォルニア州では2008年に一時、同性婚が認められたが、その後、「結婚は男女間に限る」ことが盛り込まれた州憲法の修正案である「住民投票事項8」が可決され、同性婚は禁止された。

 同連邦高裁の判事3人による控訴審は7日、同州の同性婚禁止は合衆国憲法に違反するとした下級審の判決を2対1で支持した。

 スティーブン・ラインハート(Stephen Reinhardt)判事は判決文の中で、同州の同性婚禁止条項は平等を定めた合衆国憲法に違反しており「正当な理由なく、あるマイノリティー集団を狙ってその権利をはく奪するものだ」と述べた。

 一方、ランディ・スミス(Randy Smith)判事は反対意見で、カリフォルニア州政府が同性婚を禁止することには正当な利益があると述べた。

 今回の判決は限定的で、合衆国憲法上の同性愛者の結婚権の有無について言及するまでには至っていない。

 同性婚反対派の上訴が見込まれるため、米連邦最高裁で最終判決が出されるまで同州の同性婚禁止条項は有効で、今回の判決ですぐに同性愛者の結婚が可能になるわけではない。

 同性婚をめぐっては長年、米国を二分する議論となっている。これまでに同性婚を合法化している州は、コネティカット(Connecticut)州、アイオワ(Iowa)州、マサチューセッツ(Massachusetts)州、ニューハンプシャー(New Hampshire)州、バーモント(Vermont)州、ニューヨーク(New York)州の6州とコロンビア特別区(ワシントンD.C.、Washington D.C.)となっている。(c)AFP/Stephanie Rice