【2月8日 AFP】『オリバー・ツイスト(Oliver Twist)』や『クリスマル・キャロル(Chirstmas Carol)』などで知られる英ビクトリア時代の作家チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens、1812~70)の生誕200年となった7日、各地でディケンズをしのぶ催しが行われた。

 ディケンズが眠るロンドン(London)ウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)の「詩人のコーナー(Poets' Corner)」では、ディケンズの子孫やチャールズ皇太子(Prince Charles)夫妻が出席して記念式典が行われた。ディケンズ関連の催しとしては、最大の出席者数を集めたという。

 式典ではディケンズの長編小説『大いなる遺産(Great Expectations)』の最新映画化版に出演した俳優のレイフ・ファインズ(Ralph Fiennes)さんが、『荒涼館(Bleak House)』からの一節を朗読した。

 チャールズ皇太子とカミラ夫人(Camilla、Duchess of Cornwall)はその後、ロンドン市内のディケンズ住居跡にあるチャールズ・ディケンズ博物館(Charles Dickens Museum)を訪れた。

 一方、ディケンズの生誕地ポーツマス(Portsmouth)の教会でもディケンズをしのぶ催しが開かれ、俳優でディケンズの伝記の著者でもあるサイモン・カロウ(Simon Callow)さんがが『デイヴィッド・コパフィールド(David Copperfield)』の一節を朗読した。

 また、「これほど長い年月を経ても、ディケンズは英語で書かれた文学の最高峰の作家であることに変わりはない。彼が生み出した登場人物たちは、当時と同様に現代でも精彩を放っている」とのチャールズ皇太子のメッセージが読み上げられた。

 ディケンズの伝記などで知られる文芸評論家のクレア・トマリン(Claire Tomalin)氏は、AFPに対し、ディケンズを「シェークスピア以降、最も偉大な登場人物たちを創造した作家」と評した。「ディケンズは金持ちや高位にある人々と同様に、庶民も面白みにあふれていることを小説の中で示したのです」

(c)AFP/Guy Jackson