【2月2日 AFP】米製薬大手ファイザー(Pfizer)は1日、経口避妊薬(ピル)の包装の仕方に誤りがあり、服用者が望まない妊娠をする可能性があるとして、2種類のピル、計100万セットをリコールした。

 リコールされたうち約半分は「Lo/Ovral-28」という名前で販売されているピルで、残りが合成ホルモン薬のノルゲストレルとエチニルエストラジオールを配合した後発医薬品(ジェネリック医薬品)。

 ファイザーでは自社調査の結果、1周期を単位としたひとつのパックの中で、ホルモン剤が入っている実薬と入っていない偽薬の錠剤の数が正しくないものがあり、その通りに飲んでいくと、月経周期内の誤った時期に偽薬のほうを服用してしまう可能性があると発表した。つまり、適切な避妊ができず、意図に反して妊娠してしまう恐れがあるという。

 問題のピルは米ニューヨーク(New York)州にあるファイザーの工場で製造・包装され、米国内では製薬会社アクリマックス・ファーマシューティカルズ(Akrimax Pharmaceuticals)から販売されており、通常は実薬21錠と偽薬7錠で1セットとなっている。

 ファイザーの広報は、包装段階で錠剤の数が不正確になった理由について「包装ラインにおける機械の不具合と目視検査のミス」が重なったものだと説明し、すでに問題は修正されたとしている。
 
 今回のリコールについて医師らは「非常に深刻」な事態だとして、該当する避妊薬を使用していた女性は診察を受け、バックアップ法による緊急避妊を行うよう呼び掛けている。

 また、ニューヨークのロングアイランド・ユダヤ医療センター(Long Island Jewish Medical Center)の婦人科医ジル・ラビン(Jill Rabin)医師は、この薬を服用していた女性は妊娠検査も受けたほうがよいと勧めている。

 米国では前年9月にも、アラバマ(Alabama)州の後発医薬品メーカー、クオリテスト・ファーマシューティカルズ(Qualitest Pharmaceuticals)が140万セットのピルが関連する包装ミスでリコールしている。(c)AFP/Kerry Sheridan