【2月2日 AFP】(一部更新)エジプト北部ポートサイド(Port Said)のサッカー競技場で1日、プロサッカーのアル・マスリ(Al-Masri)対アル・アハリ(Al-Ahly)の試合終了直後に暴動が発生し、保健省によると少なくとも74人が死亡した。医療関係者によれば、ナイフで刺された者もいるという。

 目撃証言によると、試合終了を告げるホイッスルの直後に3-1で勝ったアル・マスリのサポーターらがピッチになだれ込み、アル・アハリのサポーターに向かって石や瓶、花火などを投げ始めた。競技場内は逃げ惑うアル・アハリのサポーターや選手らでパニック状態となったという。

 また、カイロとポートサイド(Port Said)を結ぶ主要道路で銃声がしたとの情報もあり、さらなる衝突を防ぐため軍が出動した。

 国営テレビは、1000人が負傷者し、エジプト軍最高評議会のムハンマド・フセイン・タンタウィ(Muhammad Hussein Tantawi)議長が、選手と負傷者を搬送するため軍用機2機をポートサイドに派遣したと伝えた。一方、内務省は負傷数を248人とし、47人の身柄を拘束したと発表している。

 今回の暴動について、エジプト最大の政治勢力ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)系の自由公正党(Freedom and Justice Party)は、前年2月に退陣に追い込まれたホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領の支持者が引き起こしたものだと非難する声明をウェブサイトに発表した。

 また、国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長も、スイス・ジュネーブ(Geneva)で「非常に衝撃を受けている」と述べ、「サッカーにとって暗黒の日だ」とコメントした。(c)AFP/Mona Salem

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【動画】ピッチに乱入したサポーターたち(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)