【1月31日 AFP】セネガルでは、2月26日に行われる大統領選で3期目を狙うアブドゥラエ・ワッド(Abdoulaye Wade)大統領(85)の立候補が認められたことに対する抗議運動が広がっており、30日には北部ポドル(Podor)でデモ隊と治安部隊が衝突し、2人が射殺される事態となった。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、治安部隊がデモ隊に向けて発砲し、17歳のデモ参加者とデモを見物していた60歳の女性が死亡した。

 セネガルは政情不安の国々に囲まれながらも、民主主義が比較的守られてきた。だが、憲法が大統領の3選を禁止しているにもかかわらず、憲法評議会がワッド大統領の立候補を認めたことで、緊張が高まっている。ワッド大統領は、3選禁止規定が1期目の途中で発効したためもう一度出馬できると主張してきた。

 野党勢力はこの決定を受けて大規模な抗議行動を呼び掛け、27日夜には大規模な暴動に発展。警察官1人が死亡した。31日午後には新たな抗議行動が計画されており、激しい衝突に発展することが懸念されている。

 なお、フランス政府によると、憲法評議会はセネガルの国民的歌手、ユッスー・ンドゥール(Youssou Ndour)氏の立候補の届け出を却下した。ンドゥール氏はアフリカ各国と世界に対し、「憲法のクーデター」に抗議するよう呼び掛けている。(c)AFP/Fran Blandy