【1月27日 AFP】(図解追加)仏ポリ・アンプラン・プロテーズ(Poly Implant ProthesePIP)社製のシリコン豊胸バッグによる健康被害の恐れが指摘されている問題で、創業者のジャンクロード・マス(Jean-Claude Mas)元社長(72)が26日、過失致死の容疑で逮捕された。マス元社長の弁護士が27日、明らかにした。

 PIP社の豊胸シリコンバッグの埋め込み手術を受けた女性は世界65か国に40万~50万人近くいるとみられるが、工業用の低品質なシリコンジェルを用いていた事実が発覚。破裂リスクも高いことから仏保健当局が前年末、国内女性3万人に豊胸バッグの摘出を指示し、仏捜査当局も捜査を進めていた。

 弁護士は、マス元社長はPIPの全幹部の責任体系を説明したり、関与した納入業者を明かしたりするなど、取り調べに「非常に協力的」に応じたと述べた。マス元社長は10万ユーロ(約1010万円)の保釈金を支払って保釈されたという。

 仏検察当局は、PIPの経営幹部だったクロード・クーティ(Claude Couty)容疑者も警察に逮捕されたことを明らかにした。

 仏南部に本社があったPIPは、シリコン豊胸バッグの分野では世界3位の大手だったが、未認可の工業用シリコンジェルを使用していた事実が発覚したため2010年に閉鎖された。(c)AFP/Anne Beade