【1月20日 AFP】イタリア中部ジリオ(Giglio)島沖でクルーズ船「コスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号」が座礁した事故発生時、乗組員が沿岸警備隊との交信で緊急性を否定していたことが明らかになった。

 衛星テレビ「スカイTG24(Sky TG24)」が19日放映した交信記録によると、沿岸警備隊がコスタ・コンコルディア号に連絡を取ったのは、事故発生から約40分後の13日GMT(グリニッジ標準時)午後9時12分(日本時間14日午前6時12分)。通話相手の乗組員については、高級船員とだけ明かされ、身元は特定されていない。

海岸警備隊:「船で何か問題が起きたのか?」

乗組員:「今、状況を確認している」

海岸警備隊:「救助は必要か。それとも、とりあえずジリオ島付近にとどまるか?」

乗組員:「ここにとどまる」

海岸警備隊:「どんな問題が起きているのか? 発電機か? 頭上に物がたくさん落下してきたと乗組員が話しているとの通報が、乗組員の親族からプラート(Prato)の軍警察(カラビニエリ)にあったが」

乗組員:「停電が起きている。今、船内の状況を確認している」

海岸警備隊:「救命胴衣の着用を命じられたと乗客が言っているが、本当か?」

乗組員:「停電の状況を確認中だ。停電の状況を確認中だ」

海岸警備隊:「停電はどのくらい続いているのか」

海岸警備隊:「引き続き状況報告をしてくれ」

乗組員:「了解」

(c)AFP