【1月18日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)のマーガレット・チャン(Margaret Chan)事務局長は16日、裕福な国々で格差が拡大しつつある一方で、発展途上国の一部では多くの疾病が減少傾向にあると語った。

 チャン事務局長は執行理事会の冒頭に演説し、「一部の富裕国で、高齢世代と若者世代の生活の質の格差はこれまでにないほど広がった」と語った。

「昨年は多くの国が、民主主義と経済的な生産性のまさに根幹をなす中流階級が失われていくことに気づいた年だった」とチャン氏は述べ、公衆衛生に対する取り組みを維持しなければならないと呼び掛けた。

 また、チャン氏は演説の文書版で、最近発表された経済協力開発機構(OECD)の報告書を引用し、富裕国の所得格差は過去25年近くで最悪レベルに達したと指摘。

「さらに、報告書によれば、保健面で最高の成果を上げたのは、保健への出費額には関係なく格差が最も小さい国だった」と述べ、「お金だけで良い保健は買えない」と付け加えた。

 チャン氏は、「恩恵を最も受けている人びとが、苦しんでいる人や恩恵を受けられない人を支援しなければならない」にもかかわらず、多くの報告書によれば昨年、特に富裕国ではこのようなことは起きなかったと指摘した。

■発展途上国では疾病減少、背景には社会の支援

 また、チャン氏は、発展途上国の多くで、医療へのアクセスをめぐる不平等が今も残っていると述べた上で、「しかし、多くの社会集団では、多くの疾病が実際に減少している。最も恩恵を受けていない人びとが、最も恩恵を受けている人びとから支援されている」と語った。(c)AFP