【1月15日 AFP】男子テニスで現在世界ランキング3位につけるスイスのロジャー・フェデラー(Roger Federer)は14日、ロンドン五輪の混合ダブルスに出場するため、女子テニスで元世界ランキング1位のマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis)さんにペアを打診していたものの、断られたことを明らかにした。

 フェデラーとヒンギスさんの競演は、スイスのテニスファンにとって夢のような組み合わせだったが、2008年に行われた北京五輪の男子ダブルスでスタニスラス・ワウリンカ(Stanislas Wawrinka)と組んで金メダルを獲得しているフェデラーは、ヒンギスさんが申し入れを丁重に断ったことを明かした。

 フェデラーは「彼女は僕のために断ってくれたようで、ロンドン五輪でのシングルス制覇とダブルス2連覇に集中して欲しいと言ってくれた。彼女は引退したことに満足していた。お互い納得し、険悪にならずに話し合いを終えることができた」と話した。

 1990年代後半の女子テニスで活躍したヒンギスさんは、2007年にドーピング検査でコカインの陽性反応が検出され、無実を主張しながらも現役引退を表明した。ヒンギスさんがロンドン五輪に出場するためには、WTAツアーに復帰して女子ダブルス公式戦に出場し、フェドカップ(Fed Cup)のスイス代表に選出され、ドーピング検査を受けなければならなかった。

 フェデラーは「どこまで話が進むかわからないまま成り行きを見守っていた。結論としては彼女が素敵な人であることがわかった。早くから活躍していた彼女を尊敬していて、ファンとして試合も観ていた。混合ダブルスのペアは彼女しか考えられなかった」と語った。(c)AFP