【1月10日 AFP】マレーシアの国防省は10日、同省ウェブサイトに掲載された不可解な英文は、グーグルの翻訳機能を使ったことが原因だったと発表した。

 マレー語から英語への翻訳文には、同省職員のドレスコードは「目をつつく衣服」を禁じる、などの文章が含まれていた。これは露出の多い服装を指している。

 掲載文を引用した複数のブログによると、この指針は、女性は「高貴な人物の習慣に従って、適切な衣服をきちんと着る」よう勧めていたという。こうした誤訳はネット上での嘲笑を買うことになった。

 グーグルなどの無料のウェブ翻訳サービスは、ある言語をテキストボックスに打ち込むと瞬時に他の言語に翻訳してくれる。だが、訳文は正確でない場合もある。

 同省のウェブサイトの他のページでは、1957年にイギリスから独立した後、同国政府が「改革的手段を使ってあらゆる国防上の脅威を増した」となっていた。

 これを面白がるマレーシア国民がこの誤訳をソーシャル・ネットワーキング・サイト上で拡散したところ、該当部分は同省のサイトから削除された。

 アフマド・ザヒド・ハミディ氏(Ahmad Zahid Hamidi)国防相は現地日刊紙「スター(The Star)」に対し、「誤訳は訂正した。あのような方法での翻訳はやめ、現在は人が訳している」と語った。

 マレーシアの公用語はマレー語だが、低学年から英語教育が行われており、公的な分野ではマレー語と英語が併用されることが多い。

バイリンガルのマレーシア人は多いが、最近では同国民の英語力の低下傾向を嘆き、これが同国の競争力の低下につながると懸念する声も大きくなっている。(c)AFP

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