【1月10日 AFP】マレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)の高等裁判所は9日、同性愛の罪で起訴されていた同国野党・人民正義党(PKR)の指導者アンワル・イブラヒム(Anwar Ibrahim)元副首相に無罪判決を言い渡した。今回の判決は、次期総選挙で久々に政権奪回を狙う野党連合・人民同盟にとって追い風になるとみられる。

 アンワル氏は1998年に副首相の職を解任され、年下の助手に同性愛を強要したとされる罪で収監された。
 
 これは野党連合の再起を阻止するための陰謀だとして無罪を主張してきたアンワル氏は、法廷で取材陣に対し「神に感謝する。正義はなされた」と語った。同氏はAFPに対し、1998年に突然与党を追われて以降望んできた、与党連合の国民戦線(Barisan Nasional)の打倒に今後は専念すると述べた。

 同氏はまた、「潔白が証明され自由の身となったので、盟友や野党連合とともにプトラジャヤ(Putrajaya、マレーシアの行政首都)奪回を目指す」としている。

 厳戒な警備の高等裁判所に結集した数千人の支持者は、予想外の判決が下されると歓喜の声をあげ、野党のスローガンである「リフォルマシ(改革)」を叫びながら街頭で勝利を祝った。

 裁判官のMohamad Zabidin Diah氏は、検察当局が提出したDNAサンプルの信頼性が低かったとしている。このDNAサンプルについては、信頼性に疑問があるとの声も上がっていた。(c)AFP