【1月10日 AFP】ギリシャ・アテネ(Athens)の国立美術館(National Gallery)で9日早朝、スペイン出身の巨匠パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の作品など計3点の絵画が盗まれた。

 現地警察によると、盗難にあったピカソの油絵は「女の頭部(Woman's Head)」(1939年)。1949年にナチス・ドイツに抵抗するギリシャに敬意を表したピカソ本人が寄贈した。

 他の2点はオランダの抽象画家ピエト・ モンドリアン(Piet Mondrian)の「風車(Mill)」(1905年)と、モンカルボ (Moncalvo)の名で知られる16世紀のイタリア人画家グリエルモ・カッチャ(Guglielmo Caccia)のスケッチ画「サンディエゴ・デ・アルカラ(St Diego de Alcala)」。

 警察当局は被害相当額を明らかにしていないが、現地テレビ局のスカイ・テレビジョン(Skai television) は約550万ユーロ(約5億4000万円)に相当すると報じている。

 当局によると、犯人は警報装置を壊して、美術館の裏口にあるバルコニーのドアをこじ開けたという。同美術館の向かいには、アテネの高級ホテルが立ち並ぶ。

 事件当時、3日間のストライキで警備は手薄になっていたという。犯人が逃走するまでにかかった時間はわずか7分ほどだった。(c)AFP