【1月9日 AFP】中国で8日、春節(旧正月、Lunar New Year)の休暇を故郷で過ごす人びとが一斉に移動する「世界最大の人口移動」が本格的に始まった。

 中国当局は期間中に鉄道や航空機、船舶やバスで移動する人の数が前年より9.1%増加して、のべ32億人に達すると予測している。

■北京駅はすでに大混雑

 北京(Beijing)の鉄道駅では、スーツケースを引いて歩く人や、かばん一杯に衣類やカップ麺を詰めた人など大勢が臨時のチケット販売所に列を作り、乗車前のセキュリティーチェックを受けた。

 大学生のLiuさんとBaoさんは、中国南西部の貴州(Guizhou)省から北京で乗り継いで、北部の内モンゴル(Inner Mongolia)自治区に向かうところだった。出発から到着まで40時間以上の旅だ。

 長旅にもかかわらず、2人は帰省して家族と過ごせることが「とてもうれしい」と語った。

■出稼ぎ労働者も年に1度の帰省

 春節の休日は公式には23日からだが、その数週間前から旅行チケットの需要は高い。出稼ぎ労働者たちは故郷の村への帰省を楽しみにしており、何時間、ときには何日かかろうとも切符を買うための列に並ぶ。

 北京で衣類販売業を営むGui Yurongさん(43)は、中国北東部の黒竜江省(Heilongjiang)鶏西(Jixi)に帰省するための切符を買うのに10日間かかったという。北京から鶏西までは22時間の旅だ。

 YurongさんはAFPに「帰省は年に一度。同級生や友人、家族に服やズボン、絹のスカーフなどをあげるつもり」と語り、プレゼントで一杯になった数個のスーツケースを指さした。(c)AFP/Allison Jackson