【1月6日 AFP】胃袋を小さくする胃バイパス手術などの肥満治療手術を受けた肥満患者は、ほかの減量治療を受けた患者よりも心臓まひや発作による死亡率が低いとの研究論文が、米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association)の1月4日号に掲載された。

 スウェーデン・イエーテボリ大学(University of Gothenburg)の研究チームは1987年から2001年にかけ、肥満の被験者約4000人を国内で募集し、2年、10年、15年、20年後に追跡調査を行った。

 被験者のうち肥満治療手術を受けた人たちの内訳は、胃バイパス手術を受けた人が13.2%、胃バンディング手術が18.7%、垂直帯胃形成術が68.1%で、追跡期間中に全員が16~23%の減量に成功している。

 一方、肥満治療手術を受けていない対照群の減量の割合は0~1%だった。

 心臓まひによる死亡者は、手術を受けたグループで22人、対照群では37人だった。

 こうした結果から、研究チームは、肥満治療手術と心臓まひおよび心臓発作による死亡の減少に関連性が認められると結論づけた。また、死に至らない、心臓まひや心臓発作の発生率も減少していた。

 一方、体重の変化だけをみた場合、両グループとも、心臓疾患死との目立った関連性は認められなかった。このことから、減量だけが心臓疾患死を減らす要因ではないとみられる。

「メッセージは明らか。肥満治療手術は命を救うということだ」と、米ニューヨーク(New York)のレノックス・ヒル病院(Lenox Hill Hospital)で肥満治療手術を担当するミッチェル・ロズリン(Mitchell Roslin)医師は言う。ロズリン医師は、イエーテボリ大の研究には関わっていない。

 論文のなかでは垂直帯胃形成術を受けた被験者が最も多かったが、現在ではこれに代わる、より効果的な新しい手術法が多く取り入られていることから、ロズリン医師は心臓疾患死リスクは研究時よりもさらに減少しているだろうと指摘した。

 胃バイパス手術は、胃袋を小さく分割し、食物の摂取量を少量に抑えるための手術。国民の3人に1人が肥満の米国では、毎年20万件行われている。(c)AFP