「バイオトイレ」からハイテク繊維まで、国防研究の民生利用を目指すインド
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【1月5日 AFP】ヒマラヤ氷河に展開する部隊向けの水で流さない「バイオトイレ」などの開発実績があるインド国防研究開発機構(Defence Research and Development Organisation、DRDO)が、軍向けに開発した技術の民生活用を進めている。
マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は2008年、同国の防衛技術を民生活用する方針を打ち出した。この一環として2011年10月、インド国防研究の最高峰のDRDOとインド商工会議所連合会(Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry、FICCI)は、DRDOが開発した技術のなかから民生利用が可能な約200件を選び、FICCIを通じて販売する4年間の提携を結んだ。現在バイオトイレなど10件について、州政府や民間企業向けの販売手続きが急ピッチで進められている。
■「バイオトイレ」誕生の裏にカシミール紛争
インド中部グワーリヤル(Gwalior)にあるDRDOの1部門が15年前に開発に着手したバイオトイレは、人間の排せつ物をバクテリア入りの特殊タンク内で攪拌(かくはん)して分解する仕組みだ。バクテリアはタンクの中で自然増殖する。
このバイオトイレは、気温が零下50度にまで下がることもあるカシミール(Kashmir)地方のシアチェン(Siachen)氷河(標高6300メートル)に展開するインド軍部隊での使用を念頭に開発された。シアチェン氷河では雪に埋めた兵士たちの排せつ物が、雪解けの時期になると川を汚染していたという。
カシミール地方では領有権をめぐってインドとパキスタンと対立しており、専門家の間ではカシミール地方に展開するインド兵士の数は約5000人ほどとみられている。だが、停戦が実現した2003年以降の同地方は平穏な状態が続いている。
■「バイオトイレ」に続くハイテク製品も
高山の氷河地帯で使用されている「バイオトイレ」用のバクテリアは、元来は南極で発見されたものだ。だが、インドでトイレ需要が最も高い熱帯地域の平地では、他のバクテリアで代用することも可能だ。
FICCIによると、インド南部沖のアラビア海東部に浮かぶラクシャディープ(Lakshadweep)諸島から、大規模な住宅供給計画向けにバイオトイレ1万2000セットの引き合いがあるという。1セット当たりの価格は2万5000ルピー(約3万6000円)だ。
このほかDRDOが開発した製品には、列車や自動車用の遮熱シールド、太陽の日差しを調節できる窓、防蚊剤や、蚊が媒介するデング熱やチクングニア熱用の医療キットなどがある。また、毛・ウール衣料用の防虫スプレー、安価な消火器、トコジラミ防止用ボディクリームの一般販売も計画中だ。
なかでもDRDOが最も期待をかけているのが、「熱安定性と弾性回復性に優れた極細の繊維」だ。この技術を応用すれば市販のものよりも丈夫なブラジャーを開発できると、DRDOの研究者たちは考えている。(c)AFP/Pratap Chakravarty
マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は2008年、同国の防衛技術を民生活用する方針を打ち出した。この一環として2011年10月、インド国防研究の最高峰のDRDOとインド商工会議所連合会(Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry、FICCI)は、DRDOが開発した技術のなかから民生利用が可能な約200件を選び、FICCIを通じて販売する4年間の提携を結んだ。現在バイオトイレなど10件について、州政府や民間企業向けの販売手続きが急ピッチで進められている。
■「バイオトイレ」誕生の裏にカシミール紛争
インド中部グワーリヤル(Gwalior)にあるDRDOの1部門が15年前に開発に着手したバイオトイレは、人間の排せつ物をバクテリア入りの特殊タンク内で攪拌(かくはん)して分解する仕組みだ。バクテリアはタンクの中で自然増殖する。
このバイオトイレは、気温が零下50度にまで下がることもあるカシミール(Kashmir)地方のシアチェン(Siachen)氷河(標高6300メートル)に展開するインド軍部隊での使用を念頭に開発された。シアチェン氷河では雪に埋めた兵士たちの排せつ物が、雪解けの時期になると川を汚染していたという。
カシミール地方では領有権をめぐってインドとパキスタンと対立しており、専門家の間ではカシミール地方に展開するインド兵士の数は約5000人ほどとみられている。だが、停戦が実現した2003年以降の同地方は平穏な状態が続いている。
■「バイオトイレ」に続くハイテク製品も
高山の氷河地帯で使用されている「バイオトイレ」用のバクテリアは、元来は南極で発見されたものだ。だが、インドでトイレ需要が最も高い熱帯地域の平地では、他のバクテリアで代用することも可能だ。
FICCIによると、インド南部沖のアラビア海東部に浮かぶラクシャディープ(Lakshadweep)諸島から、大規模な住宅供給計画向けにバイオトイレ1万2000セットの引き合いがあるという。1セット当たりの価格は2万5000ルピー(約3万6000円)だ。
このほかDRDOが開発した製品には、列車や自動車用の遮熱シールド、太陽の日差しを調節できる窓、防蚊剤や、蚊が媒介するデング熱やチクングニア熱用の医療キットなどがある。また、毛・ウール衣料用の防虫スプレー、安価な消火器、トコジラミ防止用ボディクリームの一般販売も計画中だ。
なかでもDRDOが最も期待をかけているのが、「熱安定性と弾性回復性に優れた極細の繊維」だ。この技術を応用すれば市販のものよりも丈夫なブラジャーを開発できると、DRDOの研究者たちは考えている。(c)AFP/Pratap Chakravarty