【12月31日 AFP】2011年のアジアサッカー界は、激動に見舞われた日本がピッチで輝きを放ったが、ピッチ外ではアジア・サッカー連盟(Asian Football Confederation、AFC)の元会長モハメド・ビン・ハマム(Mohamed Bin Hammam)氏が贈収賄疑惑により失脚した。

■男女ともに輝きを放った日本代表

 日本は1月に行われた第15回アジアカップ(AFC Asian Cup 2011)で男子代表が優勝を収めると、7月に行われた女子サッカーW杯ドイツ大会(FIFA Women's World Cup 2011)では女子代表の「なでしこジャパン」が大会初優勝を飾り、東日本大震災に見舞われた被災者を勇気づけた。
 
 アジアカップ準々決勝のカタール戦、準決勝の韓国戦と厳しい試合を勝ち進んだ男子代表は、決勝でオーストラリアと対戦し、両チーム無得点で迎えた延長後半4分に李忠成(Tadanari Lee)が素晴らしい左足のボレーシュートを決め、大会通算4度目の栄冠を手にした。

 一方、女子代表「なでしこジャパン」は、W杯決勝で優勝候補の米国を相手に2度の劣勢を跳ね返すと、2-2で迎えたペナルティーキック(PK)戦を3-1で制した。W杯優勝は東京の街中や震災のため避難所に身を寄せていた被災者を歓喜に包み、日本の報道陣に「奇跡」と言わしめた。

 津波で自宅を流された被災地の男性は時事通信社(Jiji Press)の取材に対し、「これで仮設住宅団地にも明るい空気が広がる。頑張っていく後押しになる」と話し、優勝を喜んだ。

■アル・サードがアジア王者に

 八百長スキャンダルに揺れていた中国サッカー界は、中国スーパーリーグ(1部)の上海申花(Shanghai Shenhua)がイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)からニコラ・アネルカ(Nicolas Anelka)を獲得し、未来に前進するための一歩を踏み出したが、その一方で韓国のKリーグでは八百長事件が発覚し、数十人が裁判にかけられ、2人の自殺者が出る事態となった。

 11月のAFCチャンピオンズリーグ2011(AFC Champions League 2011)で優勝したカタールのアル・サード(Al-Sadd)は、12月に行われた11クラブW杯(2011 FIFA Club World Cup)準々決勝でアフリカ大陸王者のエスペランス(Esperance)から勝利を収めたものの、準決勝でスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に敗れた。

■アジア年間表彰で日本勢が9部門受賞、汚職疑惑のハマム会長は永久追放に

 カタールのチームが活躍を見せた中、同国出身で国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football Association、FIFA)の会長選に立候補したアジア・サッカー連盟のモハメド・ビン・ハマム元会長が、会長選での贈収賄疑惑により無期限の資格停止処分を科された。ハマム氏は現在スポーツ仲裁裁判所(Court of Arbitration for Sport、CAS)に上訴している。

 一方、AFCが発表した2011年の年間表彰では、年間最優秀女子選手に選出された日本女子代表の宮間あや(Aya Miyama)をはじめ、日本勢が合計9部門で受賞を果たした。

 また、表彰式に参加できない選手は選考外となる受賞条件が物議を醸した男子の年間最優秀選手には、ウズベキスタン代表の主将セルヴェル・ジェパロフ(Server Djeparo)が選出された。(c)AFP/Talek Harris