【12月27日 AFP】マレーシアの野生動物保護当局は26日、絶滅危惧種のスマトラサイの若いメスの保護に成功したと発表した。

 このスマトラサイは当局が1年半の間、繁殖の望みを託して保護を試みていたもので、サイの保護団体「Borneo Rhino Alliance」とボルネオ(Borneo)島マレーシア領土側のサバ(Sabah)州自然保護局との共同作戦で18日に保護され、「プントゥン(Puntung)」と名づけられた。年齢は10~12歳とみられる。現在はサバ州のタビン野生生物保護区(Tabin Wildlife Reserve)内で保護されている。

 同保護区には2008年に油ヤシのプランテーションから救出されたスマトラサイの20歳のオス、「タム(Tam)」がおり、プントゥンはタムの繁殖相手として、2010年から保護対象となっていた。

 Borneo Rhino Allianceのディレクター、Junaidi Payne氏によると、「繁殖には理想的な年齢。タムとプントゥンは隣り合わせの囲いに放されている。お互いを見て、コミュニケーションもとっている」という。スマトラサイの繁殖は1980年代と90年代にも試みられたが失敗に終わった。Payne氏は今回の繁殖は成功するのではないかと「慎重ながら楽観視」している。

 マレーシア、インドネシア、ブルネイの3か国にまたがるボルネオ島に生息するスマトラサイ亜種の個体数はわずか30~50頭と推定されているため、繁殖プログラムは重要視されている。

 Payne氏によれば、スマトラサイ激減の理由は、漢方薬の原料として密猟されたため。世界全体でも野生の個体数は150~300頭しか残っておらず、ボルネオ島北部とインドネシアのスマトラ(Sumatra)島、マレー半島にわずかな群れが残るのみとなっている。(c)AFP