【12月26日 AFP】中国の乳製品大手、中国蒙牛乳業(China Mengniu Dairy)が製造した牛乳から、規定値を超える発がん物質が検出されていたことが分かった。

 25日の同社の発表によると、国家品質監督検査検疫総局(国家質検総局、General Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine)が行った検査で、高レベルのアフラトキシンが検出されたという。アフラトキシンが検出された牛乳は四川(Sichuan)省にある工場で生産されたもので、検査は販売前に行われたため汚染された製品は市場に出回っていないとしている。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、アフラトキシンはかびの生えた餌を食べたウシの牛乳から見つかることがある毒素で、肝臓がんなどの発がんリスクを高める恐れがある。

 中国では依然、医薬品から食用油まで幅広い製品で安全上の問題が浮上している。9月には排水溝にたまった油から作った食用油の販売に絡み、32人が逮捕された。

 乳製品では2008年、タンパク質が多く含まれているように見せかけるために有害物質メラミンを粉ミルクに添加した事件が大きな問題になった。このメラミン汚染ミルクを飲んで、少なくとも6人の乳児が死亡し、約30万人が健康被害を受けた。(c)AFP