【12月22日 AFP】オランダの公共放送BNNは21日、2人の司会者が互いの体の一部を調理した肉を食べるという内容の番組を放送すると発表した。

 問題のテレビ番組は毎週水曜夜に放映されている「ギニーピッグス(Guinea-pigs、モルモットの意)」。BNN広報のタイス・ベルヘイ(Thijs Verheij)氏によれば、奇想天外なアイデアに挑戦するというこの番組で、「人の肉は、どんな味がするのか」というテーマを取り上げたという。

 BNNは10代や若者を対象にしたテレビ局で、2007年にも腎臓移植を必要とする人々を競わせ、余命わずかな女性からの腎臓移植権を勝ち取るという番組を放映した。しかしBNNは後に、この番組は臓器移植への関心を提起するための「やらせ」だったことを明らかにしている。

■今回は本物?

 しかし、今回の人肉を食べる番組に嘘偽りはないとベルヘイ氏は話す。

 放送前にインターネットで公開された番組宣伝動画には、テーブルをはさんで向かい合って座り、テーブルの上の皿を見つめる司会者2人の姿があった。皿の上にのった2切れの肉が、おそらく人間のものだろう。肉は、前もってフライパンで調理してある。

 ベルヘイ氏によると、2切れの肉はそれぞれ司会者2人の体から切除したもので、1つは腹部、1つは臀部(でんぶ)の肉だ。番組の収録時に弁護士に確認したところ、オランダでは人肉食の罰則はないが、正当な医学的理由なく生きた人間の肉を切除すると法に触れる恐れがあると言われたという。

 オランダの日刊紙トラウ(Trouw)が組織した大学教授らの委員会で、出席したあるメディア専門家は「この番組がでっちあげではないとは信じがたい」と述べ、制作に協力したという別の出席者は「(番組中の人肉食が)虚偽であることをうかがわせる点はない」と述べたという。(c)AFP