【12月20日 AFP】北朝鮮は20日、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の遺体を公開した。国営テレビは、金総書記の三男で後継者の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)氏が、幹部らとともにひつぎの前で黙とうする姿を放送した。

 トレードマークだったカーキ色の服に、赤い旗で包まれた金総書記の遺体はガラスのひつぎに納められ、平壌(Pyongyang)の錦繍山記念宮殿(Kumsusan Memorial Palace)に安置された。近くではAK47自動小銃を構えた儀仗(ぎじょう)兵が見守っていた。同宮殿の別の場所には、金総書記の父親にあたる故・金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席の遺体も安置されている。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、金総書記死去が発表された直後に韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領と、その後には野田佳彦(Yoshihiko Noda)首相と電話で会談し、米国は韓国や日本など周辺の同盟国を守ると約束した。

 韓国と北朝鮮の関係は、2010年の哨戒艦沈没事件と延坪島(Yeonpyeong-do)砲撃事件で冷え切っていたが、韓国政府は20日、北朝鮮国民に弔意を伝えるとともに、北朝鮮が喪に服していることに配慮して境界線近くで予定していたクリスマスの電飾点灯を中止すると発表した。北朝鮮側はこの点灯に対し、「心理戦」だと激しく反発していた。(c)AFP/Simon Martin