【12月18日 AFP】(写真追加)インドネシアのジャワ(Java)島沖で17日、密航者約250人を乗せた船が沈没した。救助当局者が語った。悪天候と荒波のため、捜索活動は難航している。

 インドネシアの国家捜索救助隊は、SMSテキストトメッセージで「約250人を乗せたボートがジャワ島東部のプリギ(Prigi)湾の南で沈没し、われわれは捜索救助活動を開始した」と述べた。

 また、救助当局のメンバー、ブライアン・ゴーチエ(Brian Gauthier)氏は、国営アンタラ(Antara)通信に対し、「ボートは17日夜に沈没した。悪天候で視界が悪く、捜索活動が難航している」と語った。

 ゴーチエ氏によると、これまでに30人近くが救助され、船舶が沈没した海域から30キロほど離れたプリギで治療を受けている。依然、海域には生存者がいるとみられるが、「深刻な脱水症」になっている可能性が高いという。

 沈没した船舶は、定員約100人程度の一般的な漁船とみられている。

■アフガニスタン、パキスタン、イランからの密航者が乗船か

 救助されたEsmat Adineさん(24)はアフガニスタンから来たと述べている。船はインド洋のオーストラリア領、クリスマス島(Christmas Island)を目指していたという。

 Adineさんの通訳は「(Adineさんは)具体的な人数は知らないが、船が出航した港には、成人60人以上を乗せたバス4台が到着していたと語っている」と述べた。

 Watulimo地区の警察署長は18日、Detik.comの取材に、「乗船者に聞き取りをした結果、乗船者らはアフガニスタンとイラン、パキスタンから来ていたことが分かった。ドバイ(Dubai)からの人もいた」と述べた。

 東南アジア諸国からは毎年、オーストラリアに向けて数千人の亡命希望者などが船で向かっている。その多くはインドネシアの密入出国請負業者のあっせんを受けている。(c)AFP