【12月12日 senken h】年末へ向かうこの季節、とかく「食と語らい」を楽しむチャンスが増えたりする。ウレシイことはもちろん、ツライことさえ誰かと共有することで不思議とココロが元気になるもの。今回は「食」をキーワードに3作をピックアップ。

◆「ミラノ、愛に生きる」<公式サイト>

 しばしばイタリア人を称して「カンターレ!マンジャーレ!アモーレ!」な人々と耳にするが、「ミラノ、愛に生きる」はまさにそんな1作。美しい母であり妻、成熟した女性であるエンマ(ティルダ・スウィントン)。ミラノの上流社会に暮らす彼女の閉ざされた世界が一気に開花するかのように、息子の友人でイタリア料理店のシェフとの出会いにより日常が一変していく。美しい映像美と、とりわけ「ジル・サンダー(JIL SANDER)」や「フェンディ(Fendi)」(3代目のシルヴィア・ヴェントゥリーニ・フェンディが共同プロデューサー)によるファッション、見るからに美味な料理の数々が記憶されるだろう。

◆「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」<公式サイト>

 一世を風靡(ふうび)したといっても過言ではない、スペインはカタルーニャの革新的3ツ星レストラン「エル・ブリ」。その料理が完成していくプロセスを垣間見れる「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」は、厨房の指揮官フェラン・アドリアの料理への飽くなき情熱がほとばしる。料理人というよりはアーティストのアトリエを描写するドキュメンタリーのよう。わずか45席に年間200万件の予約が殺到したという同店。今年の7月にその伝説の幕を下ろした料理やその裏側ものぞくことが許された、世界中のファン必見の奇跡的フィルム。

◆「ルルドの泉で」<公式サイト>

 フランスの巡礼地が舞台の「ルルドの泉で」。世界中から奇跡に願いをかけ、「ルルドのツアー」に参加する人間模様を描いた本作では、不治の病で長年車椅子生活を送るヒロインに訪れた奇跡を通じ、観る者にさまざまな思いがよぎるだろう。時折登場する宿泊先で参加者たちが集う食卓のシーンから、食と生命の深く密接な関係を想起するのでは。年間600万~800万人とも言われる世界一の訪問者数を誇るかの地で、なんと20年ぶりの映画撮影となった本作の誕生も言うなれば奇跡かも。難役に挑んだ主演のシルヴィー・テステューと若手女流監督の記念すべきコラボワーク。(c)senken h / text : 宇佐美浩子

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