【12月6日 AFP】オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚を日常的に食べている10~40代の女性は心臓疾患にかかるリスクが低いというデンマークの研究チームによる研究結果が5日、アメリカ心臓協会(American Heart AssociationAHA)の専門誌「Hypertension」に掲載された。

 この研究は、15~49歳の女性4万9000人を追跡調査したもので、対象者の年齢の中央値は30歳だった。魚を食べる頻度と寿命の長さの関係を調べた研究はあったが、調査時点での心臓疾患の発症率と関連づけた研究は初めてだという。

 対象となった女性たちに電話で生活習慣や魚を食べる頻度、家族歴などを尋ね、その後8年間にわたって調査した。

 その結果、魚をほとんど、あるいは全く食べない女性は、毎週、魚を食べている女性と比べて、心臓疾患の罹患(りかん)率が90%も高かった。また、30週間の期間中に心臓疾患で入院した事例を3つの評価項目について調べたところ、やはり魚を食べない女性のほうが3倍も多かった。

 研究を主導したデンマークの国立血清学研究所(Statens Serum Institut)の博士研究員、マリン・シュトルム(Marin Strom)氏によると、30代後半の女性でも魚を食べる頻度と心臓疾患との間に強い関連があることが確認できたという。

 シュトルム氏は、健康になるためのメッセージは、30~40年後にならないとはっきりとした効果が分からないものが多いため若い世代に浸透させるのが難しいが、今回の研究は、若いうちでも目に見える効果が出ることを示している、と語った。

 オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚はタラ、サケ、ニシン、サバなど。(c)AFP