【12月6日 AFP】昨年6月の総選挙以来、540日間も政治空白が続いていたベルギーで5日、国王アルベール2世(King Albert II)がワロン系社会党のエリオ・ディルポ(Elio Di Rupo)党首(60)を新首相に任命した。水曜午後に王宮で行われる就任宣誓をもって、ようやく新政権が発足する。

 世界最長期間の政治空白という不名誉な記録をもたらす事態となった、際限なく続く政治対立に業を煮やしていた1050万のベルギー国民にも、ようやく安堵(あんど)の時が訪れる。

 ディルポ氏は、イタリア移民の炭鉱作業員の家庭に生まれた貧困層の出身。フランス語圏からベルギーの首相が選ばれるのは、ほぼ30年ぶりのことで、社会党の首相誕生は1974年以来。

 近年、南部フランス語圏と富裕層の多い北部オランダ語圏の対立が深まるなか、連立政権には中道左派、中道右派の双方の政党が参加する見通しだ。閣僚も両言語圏から選ばれ、財務相には現外相のステフェン・ファンアケレ(Steven Vanackere)氏(47)、外相には現財務相のディディエ・レインデルス(Didier Reynders)氏(53)の就任が決まっている。

 ベルギーでは昨年6月の総選挙後、対立する政党間での新政権の樹立が難航し、政権が発足できない事態が1年半も続いていた。(c)AFP/Claire Rosemberg