【12月2日 Relaxnews】男性がノートパソコンで無線LANを使うと精子が損傷するかもしれない、とする研究結果が前週、医学誌「Fertility and Sterility(生殖能力と不妊)」に発表された。

 アルゼンチンの研究チームは仮説を証明するため、データをダウンロード中のノートパソコンの近くに健康な精液を置いた。4時間後、精液中の精子の25%が活動を停止していた。ノートパソコンから離れた場所に置かれた対照群では、活動停止は14%にとどまった。また、ノートパソコンに近い精子では、対照群の3倍以上にあたる9%がDNAに損傷を受けていた。

 原因は何か? 無線インターネットから放出される電磁波だと同研究は指摘している。ただし、現段階での結果は最終的なものではなく、さらなる研究が必要だという。

 一方、同誌に同時掲載された米ストーニーブルック大学(Stony Brook University)のチームの研究では、男性被験者29人の陰嚢のそばに温度センサーを設置し、膝の上でノートパソコンを使ってもらう実験を行った。10~15分後にセンサーを確認したところ、温度は精子の生産を阻害するレベルに達していたという。

 精子の生産を最大にするためには、睾丸の温度を体温より1~2度低く保つ必要がある。同研究によると、ノートパソコンを膝の上で1時間使うと、睾丸の温度が2.5度上がる可能性があるという。

 この問題を回避するためにはどうすればいい? ――デスクの上で使えばよい。足を開いたままノートパソコンを使うのも一手だが、それでも睾丸の温度が精子を殺してしまう温度に上がるまでにはわずか20分しかかからないと研究は指摘している。(c)Relaxnews/AFPBB News