【12月2日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」創設者のジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者が1日、市民を監視する技術を各国政府に売り込む「国際的な産業」に関する文書の公開を始めたと発表した。

 これらの文書に記されているのは、携帯電話や電子メール、インターネットの閲覧記録といった個人情報を監視する技術を開発している25か国約160企業の活動。

 英ロンドン(London)で記者会見したアサンジ氏は、「今日、国際的な大衆監視産業の実態を示した287文書を公開する。この産業は、独裁者にも民主主義国にも、国民のプライバシーに割り込む機器を売り込んでいる」と発言。10年前には米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)や英政府通信本部(Government Communications HeadquartersGCHQ)など一部政府の情報局だけを相手にして表に出ることのなかった業界が、いまや国境をまたぐ巨大ビジネスに成長していると警告した。

 ウェブサイト「http://wikileaks.org/the-spyfiles.html」に公開された文書の中には、エジプトやリビアなどアラブ諸国の抑圧政権に売り込まれた監視機器のマニュアルも含まれている。

 文書公開に協力した技術者らは、現在この産業は野放し状態となっており、各国政府は監視技術などの国外輸出を規制する法の整備を急ぐべきだと訴えている。(c)AFP