【11月28日 AFP】アラブ連盟(Arab League)は27日、エジプトのカイロ(Cairo)で外相会合を開き、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が市民への弾圧を続けるシリアに対する経済制裁を決めた。シリアではこの日も、治安部隊の弾圧で23人が死亡したと伝えられている。

 即時に発動される制裁の内容は、シリア政府および中央銀行との取引停止、シリア政府が連盟加盟国に保有する資産の凍結。このほかにも、アラブ諸国へのシリア政府高官の渡航禁止、航空機乗り入れの禁止などの制裁措置が、次週の会合で検討される見通し。

 アラブ連盟がおなじ中東の国に対し、これほど厳しい経済制裁を科すことは初めて。

 シリアへの経済制裁を発表したカタールのハマド・ビン・ジャシム・ビン・ジャブル・サーニ(Hamad bin Jassim bin Jabr al-Thani)首相兼外相は、「制裁を発動せずにすむよう、シリアの政権が市民の殺害を停止することを期待している」と語ったうえで、「残念ながら、その兆候は見えないが」と付け加えた。また、市民殺害の停止、政治犯の釈放、各都市からの戦車の撤退を求めた。

 これに対し、シリア国営テレビは、アラブ連盟が加盟国にこのような制裁を科すことは「前例がない」とのみ簡潔に報じ、首都ダマスカス(Damascus)では経済制裁に抗議するデモが行われた。(c)AFP/Mona Salem