【11月27日 AFP】中国のある企業が、さそり座と乙女座は気分屋で批判ばかりするので新規採用しないとの方針を示したことに対し、インターネットで激しい批判の嵐が巻き起こっている。同企業によると逆に山羊座と魚座、てんびん座の人たちは歓迎だという。

 この奇妙な応募要件は、英語トレーニング会社が中国中部、湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)市の大学に掲示した求人広告に書かれていた。前週ネットに出回り、激しい批判の的となっている。

 武漢の地元紙、楚天都市報(Chutian Metropolis Daily)によると、応募要件には次のように書かれていた。「さそり座と乙女座は募集していません。山羊座と魚座、てんびん座は優先されます」

 楚天都市報の取材に応じたこの企業の女性責任者は、調査をした結果さそり座は個性が強く気分屋で、乙女座は批判ばかりしてすぐに転職することが分かったと語った。「前にこの2つの星座の人を雇ったことがあったけれど、どちらの星座の人も同僚との口論が好きだったり、職に長く居着かなかった」

 なぜ、山羊座と魚座、てんびん座が英語教師や事務員に向いていると判断されたのかについては、同紙には説明がなかった。

■ネットで批判殺到、過去にも星座差別

 さそり座と乙女座の不採用方針はインターネットで大きな話題になり、就職差別だとして批判が殺到している。

 中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」のあるユーザーは、「つまり今や、あいつらは仕事に応募したときに星座を見るわけだ。私はさそり座だ、だから路上で物乞いをする運命なんだろう」とつぶやいた。

 楚天都市報によると、同様の星座差別は武漢市で以前にもあった。かに座の学生、Qi Qinさんは2か月前にウエディング会社の採用に応募したが、「この仕事にはみずがめ座とさそり座が一番向いている」と言われて不採用になっていたという。

■「左右対称の乳房」が官公庁の応募要件に

 中国でこういった奇妙な応募要件に批判が巻き起こったのは、今回が初めてではない。国営メディアは2004年、湖南(Hunan)省の官公庁での職に応募する女性の条件として「乳房2つが左右対称であること」をあげていたことを報じた。

 この要件を定めた理由は定かではないが、報道各紙によると、地元当局者は、過去にこの要件を理由に採用が拒否された例はないと述べ、近いうちに廃止する予定だと語っていた。(c)AFP