【11月24日 AFP】1970年に事故を起こしながらも地球への生還を果たしたアポロ13号(Apollo 13)ゆかりの品が、米テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)のヘリテージ・オークション(Heritage Auctions)で競売にかけられている。一番の目玉は、損傷した宇宙船を無事帰還させるための計算式が記された、ジェームズ・ラベル(James Lovell)船長手書きのノートだ。  アポロ13号は1970年4月、月に向かっていた際に酸素タンクが爆発する事故に見舞われた。乗組員たちは自らの手で二酸化炭素除去システムを作り上げ、見事地球に生還。このエピソードは後に映画化され大ヒットした。  ラベル船長が41年間保管していた70ページのバインダーノート「月面モジュールシステム稼働チェックリスト(Lunar Module Systems Activation Checklist)」には、ペンによる書き込みや鉛筆書きの計算式が残されている。これらの書き込みは、ラベル船長が有名な「Houston, we have a problem(ヒューストン、問題が発生した)」との連絡を行った数時間後に書かれたものだという。  ヘリテージ・オークションの歴史学者マイケル・ライリー(Michael Riley)氏は、「これらの計算が正確で、かつコンピューターから別のコンピューターへと情報を素早く移動させられたという事実がなければ、アポロ13号の乗組員は自分たちの位置を知ることができず、不運に襲われたミッションの結末は違ったものになっていただろう」とコメント。これほど心に訴えかける貴重な出品は、宇宙開発関連では少ないと述べた。  ノートの予想落札価格は2万5000ドル(約190万円)。オークションにはこの他、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士、ジョン・ヤング(John Young)氏がアポロ計画の訓練で使ったジャケットや、科学者で作家のチャールズ・ペレグリーノ(Charles Pellegrino)氏が提供したアポロ11号の手書きの飛行日誌などが出品される。入札締め切りは11月30日。(c)AFP