【11月23日 AFP】ソマリアの首都モガディシオ(Mogadishu)南部にあるワダジール(Wadajir)地区で22日午後、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、10人が死亡した。

 現地の警察官によると、死者は全て民間人だった。死者の中には複数の子どもがいたという目撃者の証言もある。現在警察が攻撃の標的などを調べている。

 国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)とつながりをもつイスラム過激派組織アルシャバブ(Shebab)は、3か月前にモガディシオ市内の拠点から撤退したが、その後もゲリラ攻撃を繰り返している。

■アルシャバブ支配下地域をケニア軍が攻撃か

 一方、ケニアとの国境に近いソマリア南部では同日、戦闘機がアルシャバブ支配下の地域を空爆し、民間人3人が死亡、数人の負傷者が出た。

 目撃した現地の長老の1人はAFPに電話で、戦闘機が投下した爆弾数発のうち2発が、遊牧民たちが家畜に与える水をくんでいた井戸の近くに落下したと語った。

 戦闘機がケニア軍のものだったかどうかは確認されていないが、ケニアは自国領内でアルシャバブが攻撃や誘拐を行っているとして前月、ソマリア南部に戦車を装備した陸上部隊を進軍させた。また今週に入り、武装勢力の拠点を空爆したとも発表していた。

 ケニアの戦闘機は前月末にもソマリア南部を空爆し、現地で活動中の援助団体は少なくとも5人の民間人が死亡したと発表している。

■狭まるアルシャバブ包囲網

 また、エチオピア政府は否定しているが、この週末にエチオピア軍がソマリア南西部からソマリア領内に入ったという情報もあり、すでにソマリア南部でケニア軍、モガディシオではアフリカ連合(AU)の派遣部隊と戦闘中のアルシャバブに対する包囲網は狭まっている。2007年からモガディシオでアルシャバブと戦っているAUの部隊には、ウガンダとブルンジから計9700人強が派遣されている。

 ソマリアの近隣諸国はこのところソマリア安定化に向けた行動を強化している。ケニアは前週、ソマリア暫定政府を防衛しているAU軍に兵力を派遣する用意があると表明した。

 エチオピア政府も21日、同国の首都アディスアベバ(Addis Ababa)で25日に行われる
政府間開発機構(Inter-Governmental Authority on DevelopmentIGAD)首脳会議で、ソマリア派兵の有無を決定すると発表した。(c)AFP