【11月22日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の夫、フィリップ殿下(Prince Philip、90)は率直な物言いで有名だが、今度は「風力発電」が殿下の標的となったようだ。

 20日の英日曜紙サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)によると、フィリップ殿下は風力発電はまったく使い物にならず、その推進者たちは「おとぎ話」を信じているだけだと酷評した。発言は、風力発電用タービンの建設・運営企業、インフィナジー(Infinergy)の幹部、エスビョルン・ウィルマー(Esbjorn Wilmar)氏が英ロンドンで開かれたパーティーでフィリップ殿下と会見した際のものだという。

 ウィルマー氏は同紙に「フィリップ殿下は(風力発電は)まったくの役立たずなうえ、完全に補助金をあてこんだもので、恥知らずも甚だしいと述べられた」と語った。ウィルマー氏は、殿下のあまりに忌憚(きたん)ない見解に驚いたという。

 ウィルマー氏も、風力発電は再生エネルギーの中でも最もコスト効果が高い形態のひとつだとフィリップ殿下に説明を試みたが、「君はおとぎ話を信じてるわけじゃないだろうね?」と軽くあしらわれてしまった。そして殿下は、「どうせバックアップ電源が必要なのだから、風力発電はうまくいかないよ」と指摘したという。

 それでもウィルマー氏は引き下がらず、フィリップ殿下の所有地にも風力発電を設置してみてはどうかと提案すると、フィリップ殿下は一言、「わたしの地所には近づかないでくれたまえ、きみ」と答えたという。

 フィリップ殿下の見解は、風力発電の増設を計画する英政府のものとは相違するが、英バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)の報道官は、殿下のプライベートでの会話に関してはコメントを控えるとサンデー・テレグラフ紙に回答したという。

 英国史上最も長い期間、国家元首の配偶者であり続けるフィリップ殿下だが、あまりにも率直な発言が物議を醸すこともしばしばだ。1998年には、パプア・ニューギニアを旅した学生に「よく食べられずに帰ってきたね」と声をかけたこともある。(c)AFP