【11月18日 AFP】米ホワイトハウス(White House)のエリック・シュルツ(Eric Schultz)報道官は17日、伊アパレルブランド「ベネトン(Benetton)」が作った各国首脳や宗教指導者らがキスをする合成写真広告に、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の写真が利用されたことについて「かねてから、ホワイトハウスは大統領の名前や肖像の営利目的での使用は容認しない方針を取っている」と述べ、批判した。

 ベネトンは16日、「UNHATE(反・憎悪)」キャンペーンと銘打って、各国指導者らの合成キス写真広告を各地のベネトン店舗のほか、新聞、雑誌、ウェブサイトなどで展開。オバマ大統領の写真は、中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席やベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領とキスをしているシーンで使われた。

 キャンペーンでは他に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領とアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相、ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)とイスラム教の有力指導者アフマド・アル・タイーブ(Ahmed el Tayyeb)師などのキスシーン広告も展開された。

 ローマ法王の広告は法王庁の抗議で同日中に撤去され、ベネトンは「あらゆる形態の憎悪文化に立ち向かうこと以外の意図はない」「信者の皆様方の感情を深く傷つけたことを謝罪する」と釈明したが、ローマ法王庁は17日、「人々の尊厳でなく、信者の感性をも傷つけるものだ」として、問題の写真が出回らないよう法的措置を取ったことを明らかにした。(c)AFP