【11月17日 AFP】16日に新たなグローバルキャンペーン「UNHATE(反・憎悪)」の展開を始めた伊アパレルブランド「ベネトン(Benetton)」は同日、ローマ法王庁からの強い抗議を受け、ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)とイスラム教の有力指導者とのキスシーンの合成写真を撤去した。

 写真の中で、ベネディクト16世は、エジプト・カイロ(Cairo)のアル・アズハル・モスク(Al-Azhar Mosque)のイマーム(指導者)でイスラム教スンニ派の権威でもあるアフマド・アル・タイーブ(Ahmed el Tayyeb)師のくちびるにキスをしている。

 ローマ法王庁は、「法王の写真がこのように使われることは断固として許されない」と強く抗議。ベネトンは直後に、「信者の皆様方の感情を深く傷つけたことをお詫びします」と、声明で謝罪した。キャンペーン自体については、「あらゆる形での憎悪の文化に立ち向かうというただ1点の目的しかない」と擁護した。

 キャンペーンでは、ほかにも、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席のキスシーンなど、ショッキングな合成写真が使用されている。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領とアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相も、濃厚なキスを交わしている。

 なお、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)伊首相がメルケル首相にキスをしている写真も使用される予定だったが、ベルルスコーニ首相の前週の辞任表明を受け、急きょ取りやめとなった。(c)AFP