【11月17日 AFP】クウェートで16日、汚職疑惑をめぐり、首相の退陣と議会の解散を求めてデモ行進をしていた数千人が、警官隊に阻止されたあと、国会議事堂に乱入するという事件があった。

　ある野党議員によると、野党や活動家らが率いるデモ隊は、議事堂前で集会を開いた後、ナセル・ムハンマド・アハマド・サバハ（Nasser Mohammad al-Ahmad Al-Sabah）首相の公邸に向けてデモ行進を始めた。だが、警官隊が行く手を阻み、デモ参加者らが警棒で殴られるなどの暴力を受けた。この時、少なくとも参加者5人が負傷したとの目撃情報がある。

　デモ隊はこのあと、議事堂の門を破って議場内に乱入。国歌を歌ったあと、数分以内に議事堂をあとにしたという。

　同国では、国会議員50人のうち約16人が計3億5000万ドル（約270億円）の賄賂を受け取ったとされる疑惑をめぐり、3か月前から緊張が高まっている。一部の活動家は、首相が退陣するまで、議事堂前での野営を続けると語った。

　同国での政治をめぐる暴力は、デモに参加した民衆や議員が警棒で殴られた昨年12月以来のことだ。活動家らは、今年3月から抗議行動を続けている。(c)AFP/Omar Hasan