【11月7日 AFP】米グーグル(Google)のエリック・シュミット(Eric Schmidt)会長は、4日に公開された米議会への文書で、米アップル(Apple)のスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone 4S」に搭載された音声アシスタント「Siri(シリ)」について、グーグルの検索エンジンに対する真っ向からの挑戦だとの考えを示した。

 米上院反トラスト小委員会は4日、シュミット会長が提出した議員への返答文書を公開。その中でシュミット会長は、「アップルは、Siriで、検索技術に対するまったく新しいアプローチを始めた」と述べた。

 また、従来から競合していた米マイクロソフトの検索「Bing」の他、米フェイスブック(Facebook)などのSNS、マイクロブログのツイッター(Twitter)などからの挑戦を受けていると指摘した。

「フェイスブックのようなSNSやツイッターのユーザーは、ソーシャルネットワークを活用して、疑問への答えを見つけ出すことができる。グーグルはそれゆえ、他の検索エンジンだけでなく、インターネットで情報を入手するためのあらゆる手段と競争関係にある」(エリック・シュミット会長)

 IT情報サイト「テッククランチ(TechCrunch)」は前月発表された「Siri」について、アップルの検索ビジネスへの「入り口」と表現し、米経済誌フォーブス(Forbes)の解説員はSiriを「グーグル・キラー」と呼んでいる。

■検索市場の「グーグルによる独占」に反論

 グーグルは現在、米国と欧州で反トラスト当局の調査を受けており、米議員からはインターネット検索で「支配的」であると指摘されている。米調査会社コムスコア(comScore)によると、グーグルの米検索市場シェアは65.3%だ。

 シュミット会長の文書はこの調査に対するもので、同氏は「グーグルには多くの強力な競争相手がいる。ゆえに、グーグルが検索において何かしら『支配的』だと推察することは誤りだ」と主張した。(c)AFP

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